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黒猫ジル
この私をどう紹介しようと考えてみたわけよ。
生まれて十日、生きてきた。だから私はほんの小娘、五百歳。
人間五十年、下天のうちを比べれば～♪ って言うじゃない。
そうだよ信長。一日が五十年の下天で生まれて、
十日して人間界へ降りて来たんだ。
だいたい私は黒猫の姿でうろついてる。ケッコウ可愛い。
おまえはジジか？ 何よそれ？
キキのペットの黒猫だろうって？ さあね、キキってだあれ？
私の名はＪＩＬＬ。妖怪世界の女王です。
私のママはＭＵＭＵって言うけど、ものすげ美人の西洋妖怪。
下天世界に棲んでいた日本のオトコに見初められ、レイプ一発、
ママは孕んで、私が産まれた。
生まれたそのとき、私には妖怪どもの手下がいたわ。
だって私は女王ですもの、君臨しちゃう。
生後十日がすぎていき、すっかり娘らしくなった私は、ふらり
と家出。人間界に降りてみて、そのとき見かけた黒猫が可愛く
思え、だから日頃は猫の姿で暮らしている。
この物語はパロディか？ さあね、それはどうでしょう。
プロローグはおもしろく。女は笑っているほうが男が惑う。
そんな計算もあるわけだけど、甘く見てはいけませんわよ。
ミストレス？ なんじゃそら？
正真正銘、妖怪どもの女王の私。好みの男を見つけると奴隷に
しちゃうし、ムカつく女を見つけると処刑する。
人間界に降りてみて、男のほうがむしろ好き。女どもには腹が
立つ。駆け引き、ポーズ、電卓内蔵お嬢様。男どもをたぶらか
し、見た目だけがいい女。泣かされてる男を見ると女に仕置き。
男相手のプレイだったら、やさしい女王。だいたいそうよ。
いまどきの女相手の調教だったら、淫夢へ堕とし、奴隷の人生
を与えてやる。
そのために化身する私。ほとんど万能変身ですけれど、まあね、
そこはサイズの関係で象さんなんかにゃなれないし、ノミだと
ちっこすぎてうまくいかない。
たとえばいま、私はパンティに化けている。女は淫夢にもがき、
のたうち叫び、やがて私に平伏すわ。
可愛い黒猫を見かけたらＪＩＬＬって呼んでみるがいい。
命をかけて迫ってくれれば、そのとき猫は女王の私に化身する。
●きりもみが終わってからスタートする予定です。
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